マスクは対人恐怖症の秘密兵器だった

マスクをするのは欧米ではあまり一般的ではないようで、よほど重症な時や専門の職業の人でなければマスクをつけることはないそうです。しかし、日本では風邪や花粉症、乾燥対策などでも気軽にマスクを付けます。1年中を通して、例えばマスク姿の人が電車に乗ってきたとしても、さほどの違和感は感じないのではないでしょうか。

このマスクが実は対人恐怖症の人にとって、強い味方なのです。いつもは対人場面に出ることで不安を生じていた人が、マスクをしていれば全く問題なく外出できるという例があるのです。例えば、容姿の一部が醜いと思い込んでしまっていたり、とても気になる場所がある場合、赤面症の人や顔の表情のひきつりが気になってしうという人も、マスクで顔を隠してしまうことで、不安を軽減できる場合があります。

マスクをしていることで、変に見られるんじゃないかと心配しながらもマスクをしているという人もいるようですが、上にも少し書いた通り、春は花粉症がありますし、夏はエアコンでの乾燥予防、秋、冬なら風邪対策と、マスクをつける理由は色々ありますので、1年を通してマスクをしていても違和感はないと思います。

マスクをするのと同じ理由でサングラスを着用する人もいます。自分の視線が誰かに不愉快な思いをさせるのではないかと不安になる視線恐怖の症状がある人にはとても有効な対策だと思います。

もちろん、マスクやサングラスで隠して安心しただけでは、対人恐怖症の根本原因の解決にはなっていません。むしろ、隠すことを習慣にしてしまうために悪影響だという人もいます。しかし、私はそれで不安を生じずに生活ができるならば、対処療法としては大いにありだと思いのです。対人恐怖症の根本治療が進むまでひきこもるくらいならば、マスクでもサングラスでもして、外に出て社会生活を送れるほうがいいと私は思います。

対人恐怖症の治療には、中長期的な時間が必要です。時間をかけて心の治療を行えば治る病気なのです。それまでの間の不安や身体症状を軽減するために、心の治療と平行して薬での対処療法が行われますが、それと同じことです。自分の不安を軽減して少しでも楽に過ごせる方法があるのなら、是非取り入れて生活してもらいたいと思います。


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