対人恐怖症とSAD(社会不安症障害)の違いを見分けるポイント
対人恐怖症はSAD(社会不安障害)とも言われています。両者は症状が非常に類似している部分が多く、対人恐怖症=SADと考えられることもありますが、実は対人恐怖症とSAD(社会不安障害)は完全に同じではありません。ただ、一部の症状が類似していても、治療方針が違う場合があるうつや自律神経失調症と対人恐怖症の切り分けは必要だと思うのですが、対人恐怖症とSAD(社会不安障害)に関しては症状も類似していれば、治療方法が違うかというとそういうわけでもありませんので、診断名はどちらでも神経質に気にする必要はないと思います。しかし、違うなら違いが知りたいと思う患者さん心理も分かりますので、SAD(社会不安障害)の症状について見て行きたいと思います。
SAD(社会不安障害)の症状は、人前で何らかのパフォーマンスする事に、過剰な不安を生じるものです。具体的には、人前で発言をする、食事をする、字を書くといった際に、赤面、発汗、震えなどの身体症状が生じ、恥をかくことを恐れて対人場面を避けてしまう症状のことをいいます。治療法は、薬によって不安や、身体症状を緩和する治療と合わせて、不安を生じてしまう根本原因である心のケアを行っていくことになります。
さて、ここまででは、対人恐怖症との違いが正直分からないと思います。症状も治療法も、本当に酷似しているわけです。対人恐怖症とSAD(社会不安障害)の違いは、実は不安を生じる内面にあると考えられています。
対人恐怖症は、自分の外見を気にしたり、自分が何かすることで人に不快な思いをさせることへの恐怖が基本になっています。人の目が気になる、他者主体の考え方です。一方、SAD(社会不安障害) はというと、自分が人前で何らかのパフォーマンスをすること自体への不安、失敗した時に自分が他者から攻撃を受けることへの不安が基本で、自分主体の考え方です。この差は実に微妙で、本人の自覚も曖昧な場合がありますので、切り分けは困難だといえます。そのため、対人恐怖症は、ほぼSAD(社会不安障害)と同一考えられるようになったのです。
私も、診断後の治療方針に差がない以上は、2つをどうしても切り分ける必要性はないと考えています。また、切り分けることができないケースもたくさんあるのです。対人恐怖症、SAD(社会不安障害)と診断がどちらでも、診断名を神経質に気にする必要がない理由はそこにあります。
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