対人恐怖症と関わりの深い別の障害について
何だか分からないものは不安であり、恐怖を感じるのは人間の心理です。自分の体に異変が起こっているのに、原因がわからないため強い不安感を訴える人は少なくありません。そのため、対人恐怖症という診断をされてからも、安心できずに、自分の症状はもっと別のものではないか、もっと複雑なものなのではないかと、不安が治まらない人がいます。そこで、対人恐怖症と関係している可能性のある、別の障害について少しご紹介をしておきたいと思います。症状の実態をつかんで不安を軽減する助けになればと思います。
代表的なものは、対人恐怖症とほぼ同意で捉えられている社会不安障害(SAD)ですが、人格障害や身体表現性障害も対人恐怖症とは関係の障害です。
まず人格障害は、 その人の持っている人格が社会から逸脱して、または逸脱していると思い込み社会生活に障害をきたすものです。人格障害には、境界性、強迫性、自己愛性などがありますが、対人恐怖症と重複するのは、回避性人格障害や統合失調病質人格障害です。回避性人格障害は、人と接すること、社会活動を回避しようとする障害です。他人に自尊心を傷つけられるかもという不安と自己否定が強く、自分は人から好かれないと思い込む傾向の為、人と関わりたい欲求を持ちながらも、対人関係を避ける行動を取ってしまいます。統合失調病質人格障害は、他人への興味、関心と自己表現力が著しく欠如しています。人と関って自分と相手が変質することを怖れ、他人との関わりを避ける行動を取りってしまう障害です。
身体表現性障害であれば、体に疾患や薬の影響など客観的に説明がつく事象がないにも関わらず、痛みや吐き気、痺れなどの体症状を生じる障害です。心理的要因がもたらす障害であると考えられています。痛みを訴えることが中心の疼痛性障害、自分が醜いと思い込むことで起こる身体醜形障害、 重病を患っていると思い込み不安を生じる心気症などがこれにあたります。
上記以外にも対人恐怖症と関わりのある障害は色々あります。それだけ対人恐怖症が複雑で次元的な症状であるということです。しかし、それら次元的な症状を全て大きく捉えて対人恐怖症と考えていいと私は考えています。症状を点で捉えるのではなく、大きな面で捉えるのが対人恐怖症の治療です。ですから、自分は対人恐怖症だけではなく、別の障害があるのではと徒に不安になる必要は実はないということなのです。
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