統合失調症と対人恐怖症の違いを見分けるポイント

統合失調症のために対人恐怖症と同じような症状が現れる患者さんがいますが、純粋な対人恐怖症は統合失調症とは別のものです。

統合失調症が発生する原因は、まだ完全には解明されていませんが、何らかの脳の機能障害が起こり、脳の働きが阻害され発症する病気であることが分かりつつあります。統合失調症の症状は、幻覚や幻聴です。そのため、常に誰かに監視されているといった妄想を抱きやすく、意味不明な会話をしたり、落ち着きのない行動をとったり、感情が不安定になるといった症状も現われます。これがきっかけとなって人とのコミュニケーションが取れなくなるなど対人恐怖症に似た障害がみられることもあります。かつては心因性の原因だと考えられることもありましたが、現在では、神経伝達物質を介して、神経細胞間で伝達される様々な情報が、神経伝達物質の過剰な働きよって混乱してしまい、脳内の混乱から幻覚や幻聴といった症状が生じると考えられています。その点は、対人恐怖症とは異なっています。

世界保健機関(WHO)のデータでは、統合失調症の発症率は1%、100人に一人程度とされていますが、発生した患者と遺伝的に近い人ほどは発生確率が高いことから、遺伝的な原因もあると考えられています。

統合失調症の治療は主に薬による治療で、薬によってかなり症状をコントロールすることができます。また、統合失調症の症状は症状が出ていない時には普通の人と変わらない生活をすることができることでも知られています。しかし、本人が統合失調症であると自覚していないことも多く、別の疾患を間違って診断されているというケースも決して少なくはありません。統合失調症の症状は大きく3つに分けることができますので、いずれかのタイプに該当する場合には、一度統合失調症の可能性について主治医を検討してみるといいでしょう。

一つ目が被害妄想が強くなる陽性症状です。幻覚や幻聴で眠れなくなったり常に安心できないタイプです。二つ目は陰性症状で、自信や活力が著しく失われます。根気や集中力が続かず、意欲がわかないため、学業や仕事に大きな影響があります。三つ目は認知障害タイプです。話を聞いるのに、意味が理解できなくなるなどの症状があります。集中、記憶、情報整理などの力が著しく低下します。

思い当たるものがあれば、迷わずまずは主治医に相談してみましょう。


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