幼児期の対人恐怖症について、対人恐怖症は遺伝するのか
自分の子供の人見知りが、他の子供に比べて重症であると感じた親御さんが、自分の子供は生まれながらに対人恐怖症なのではないかと不安になることがあるようです。しかし、幼児期において人見知りというだけで対人恐怖症と診断するのは、少し時期尚早という気が致します。
まず第一に、対人恐怖症というのは先天性のもではないと考えられています。対人恐怖症が生育環境や社会生活を送っていく上で、後天的に発生するものと考えると、生まれながらに対人恐怖症ということはまずありません。対人恐怖症と遺伝の関係についても、性格や思考パターンが親と似ていれば同じ経緯で対人恐怖症を発生するという可能性はあっても、対人恐怖症そのものが遺伝することはありません。ですから、例えご両親のどちらかに対人恐怖症の病歴があっても、それが子供に遺伝したという心配は不要なのです。
子供のうち 、特に幼児期であれば、新しい人との出会いや環境の変化に、ある程度の警戒心を持つことは、むしろ正常な反応と思ってください。人前で上手に話しができなかったり、イベントの前日に眠れなかったり、お漏らしをしてしまったり、対人恐怖症の症状とみることもできる場合がありますが、幼児期の子供であれば、成長過程ということでご家庭で様子を見守りながら育てることも大切でしょう。ただ、幼稚園や学校を怖がって不登校になるなどの場合には、早期に専門医に相談をすることも必要かと思います。また、身体症状をともなう場合には、対人恐怖症以外の別の疾患の可能性もありますので、その場合にも専門医の受診をおすすめします。どうしても親御さんの不安が強い場合にも、専門医に相談するといいかもしれません。
ただ、大切なのは、親が神経質に対応しすぎないことです。子供は大人以上に、自分の心を自分でコントロールすることができません。 子ども自身の力でコントロールできない子供に、例えば人前でしっかりしゃべりなさいと説教したり、しかっても意味がないのです。無理をさせたり、押し付けたりすることは絶対にやってはいけないことです。無理をすればするほど、逆効果になり、それが将来的に対人恐怖症の発生原因にもなりなねません。心の問題は、中長期的に向き合うことが大切です。子どもの立場で、子どもの視点で、子どもの心を考えながら、ありのままの子供を見守ってあげることこそが親の役割です。
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